アイデアソンとは?
アイデアソンの概要
アイデアソンとは?
アイデアソンの考え方と特徴
アイデアソンとは
アイデアソン(ideathon)は、アイデア(idea)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語で、「多様な主体が主体的に集まり、主体間の相互作用を通じて、課題解決に向けたアイデア創出や新たな商品・サービス・アイデアの創造を目指す共創の場」と定義されます。
日本では、2011年の東日本大震災以降、開催が相次ぎ、2014年から急速に拡がりを見せています。
アイデアソンの特徴
アイデアソンの特徴としては、次の点があげられます。
①参加者の多様性
アイデアソンの最大の魅力は、組織や所属、職種、専門性のほか、年齢や性別の異なる多様な人が参加する「多様性」にあります。普段話すことの少ない相手や、初めて出会った人、など、立場や肩書に関係なく対等な立場で一緒にアイデアを考えていくプロセスに最大の価値があります。
②アイデアの可視化
アイデアソンは、合意形成を図る場や対話の場とは異なり、テーマに対してアイデアを具体的な形にすることが求められます。もちろん、アイデアソンの中で合意形成や対話手法を使うケースもありますが、それ自体は目的ではありません。対話を手段としてアイデアを具体的な形に見える可することが特徴となります。
③集合知の活用
アイデアソンでは、参加者が課題やアイデアを各自で考える個人ワーク、ペアになり課題発見やアイデアを相互レビューし合うペアワーク、そして、チームでアイデアのブラッシュアップやプロトタイピングを行うグループワークと、個人・ペア・グループによる相互作用を繰り返していきます。つまり、多様で異質な知を持つ他者が集まり、コミュニケーションを活発化させることで集合知を生み出す場だといえます。
アイデアソンの実施領域
アイデアソンは多様な目的、テーマで取り組まれていますが、代表的なものとしては、①新事業創造、②スタートアップ、③地域活性化、④地域課題・社会課題解決、⑤教育・人材育成、⑥エコシステム創出、⑦オープンデータ活用、があげられます。
①新事業創造
新サービスや新商品、新事業創造を目的としたアイデアソンで、企業のワーカーや起業予定者などが参加し、すでに発売している製品やサービスのブラッシュアップや新たな価値創造を目指して新サービスや新商品の開発につなげる場合や、全く新しいサービスや新商品のアイデアを考えたりします。
②スタートアップ
ビジネスアイデアを考え、短期間で事業化を図ることを目指し、起業予定者やそのチーム、学生が参加するアイデアソンです。具体的には、ビジネスアイデアを考え、メンターからのサポートを受けながら実現可能性の高いビジネスモデルに練り上げていきます。
③地域活性化
地域活性化やまちづくり、地域課題の解決を目的として開催されるアイデアソンで、これまでワークショップと呼ばれていたものに比較的近いものです。地域住民をはじめ、まちづくりやNPOのリーダー、コミュニティデザイナーやまちづくりプランナー、地域活動参加者や学生が参加し、地域ビジネスのアイデア創出や、地域活性化のためのイベントやプロジェクトのプラン作りを行います。
④地域課題・社会課題解決
地域が抱える課題や社会的課題の解決、事業者や特定の領域が抱える課題の解決、未来の新たなニーズを描き出すことを目的に実施されるアイデアソンで、地域住民やオフィスワーカー、大学生など、多様な参加者によって実施されます。たとえば、被災地が抱える課題解決に向けたアイデア創出などが一例として挙げられます。
⑤教育・人材育成
企業の社員向けの教育や研修、学生の教育を目的として行われるアイデアソンで、部署や専門分野を超えたチームによる協働能力の向上やネットワークの形成、アイデア発想法の学びの場として活用されています。たとえば、企業が社内の部署を超えて一緒にアイデア創出に取り組み、共創に必要な共感力や協働能力を育成する目的で開催されるケースが考えられます。
⑥エコシステム創出
地域の中小企業や、関わりの薄い異業種間の交流、学生と社会人の交流を通じたエコシステム(生態系)の構築を目的に開催されるものなど、アイデアソンのプログラムを通して、新たなつながりや関係構築、相互理解を図り、その後の活動につなげるための基盤づくりを行います。たとえば、地元の中小企業の持つ技術を地元の大学生が知り、その技術を活用したアイデアを大学生と中小企業の社員が一緒に考えるプロセスを通じて相互に理解を図るものがあげられます。
⑦オープンデータ活用
オープンデータの活用に向けたアイデア創出やサービス開発を目的に、自治体職員やIT技術者などが参加して行われるアイデアソンです。具体的には、オープンデータを活用したビジネスアイデアの創出に向けて、行政職員やプランナー、NPO、IT技術者が一緒になって、オープンデータを活用し、社会課題解決につながるビジネスアイデアを考えるといったものがあげられます。
以上のほか、特に近年は教育領域での活用も検討されるなど、アイデアソンの実施領域は拡がりを見せ続けています。
出典:須藤順・原亮(2016)『アイデアソン!アイデアを実現する最強の方法』徳間書店
参考:幻冬舎GOLD ONLINE「アイデアを実現する最強の方法『アイデアソン』の基礎知識」
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